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感染症としての歯周病

ちょっと真面目な話。
歯周病は、基本的には歯磨きで治る。
もちろん、歯磨きの仕方によって治り方はピンからキリまで。
歯肉溝内の細菌を、悪いものから比較的害のないものに変える努力である。
 一週間も歯磨きを怠ると、歯肉がまず血が出やすくなる。
 この血液を食する菌が増えると口臭も出やすくなるのだ。
 通常の虫歯菌などは糖を代謝に使うが、血液が好きな菌は糖を使わない。だから、甘いものやでんぷん類を食べてなくても、歯周病は進む。
 私たち歯医者がやるのは、歯周病菌の固まりである歯石などの除去と、歯磨き指導。これをとっかかりにして、症状の改善を図る。
 歯磨きで治るって事は、もちろん本気でなおしたいなら本人がその気でやらないとダメ。歯医者に通ってれば治るってもんではない。
 ときおり「先生におまかせします」と言って、自分の責任を丸投げしようとする人が居るけれど、それはもっとも私たちの嫌うところだ。
「自分のことなんだからさ~」と思う。

ぁ、虫歯もね。
歯磨きはした方がもちろん良いけど、それだけじゃ予防出来ない。
要は歯が溶けないようにしなきゃいけないのね。
虫歯菌の作る酸を洗い流すこと。
唾液の抗菌成分やミネラル分がちゃんと口中に行き届いて、一定時間作用出来ること。そんなことが結構大事。
 つまりだらだら食いは虫歯の元なのだった。
 食べたら磨く。時間を決めて食べる。
 つまり規則正しい食生活が虫歯予防になるってわけ。
 歯磨きしなくても虫歯になりにくい人っているでしょ。
 多分、そう言う人は歯周病にはなりやすいと思う。
 で、きっと食べるとき、食べないときがはっきりしてる生活なんだろう。
 唾液が出にくくなった人は特に気をつけないと虫歯になりやすいとも言える。

しかし、ごくたまーに何をどう頑張っても上手いこと治らない人が居る。
普通の治療ではダメで、骨の壊れが激しい人。
こういう人は、口の中の細菌が、一般的な歯周病の人よりもたちが悪いのだ。これを、健康的な口の中の人と同じような細菌構成にしないと治りが悪い。
 ではどうするか。基本治療は当たり前だが、これに薬を足す。
 生活習慣病ではなく感染症としてのアプローチだ。
 ここ数年、だんだん使う人が増えてきたある抗菌剤が、認識よりずっと効果あることを、今日知った。
 一錠あたりの値段は高いので買い控えていたが、私も休み明けに注文しようっと。