Heavenly Blue
第十一回
『清水……亮……と、真沙子……ですね?』
電話の向こうで、香奈がメモをとっているのを待ちながら、僕はため息をついた。
「それと、念のために、パラダイスツアーの西村って人を……」
『はーい。あ、最後の人は多分お店にきてるかも。エリザベスの方だけど』
「えっ? そう?」
『たぶん。パラダイスツアーでしょ? 領収書書いたことあるもの。ボトルキープしてて、名前が西村……会社に複数いるんならわからないけど。ママに確認しておきますね』
「さすがだな。頼もしいよ」
『イヤーだ、おだてたって何もでないですよう』
ころころと笑う香奈は、本当に客商売向きだ。客の顔は一度で覚える。特徴、好み、癖までも。ホスピタリティに関してもプロだ。彼の頭の中のデータベースは接客業を真剣にやるなら誰でもほしがるスペックを持っている。麗花と店を任せるに足る人材だ。
西村氏の電話越しの含み笑いを思い出した。
何とも不可思議な、いやな感覚だった。僕らのことを確実に把握しているような。
一面識もないはずなのに。
「もしエリザベスのお客だったとして、僕が面識ある可能性は?」
『ええ? うーん、多分ないと思うんですけどぉ。確か、あの人はマスターがお店始めてから来るようになった口だから。マスター、結構写真とられてたりしたから、あちらがマスターを見知ってる可能性はありますけどね。噂とか、話の種で』
「全く、僕の肖像権はどうなってるんだろう……」
『あはは、それはもう、ないってことで。今の世の中、目立つ人は芸能人並みの苦労がありますね〜。まあ、とにかく、こういうことは真由子ママに頼んじゃった方が早いですから。そっちに手配します。それでいいですか?』
「うん、頼み事ばかりでごめん。何かわかったら電話ください。真由子さんにもおみやげ買ってくるから」
『とーぜん! あ、でも、真由子ママはあの画像だけでおなかいっぱいかも〜』
「うっ……」
そ、そうなのか……
いやだなぁ、どんな顔して会えばいいんだろう……
『あっ麗花さんっ。マスターですよ。かわります?』
麗花がなんと答えたのかは聞こえなかったが、衣擦れの音が聞こえて彼女が受話器を受けたのがわかった。
『龍樹? 大変みたいね』
ほほえみを含んだ声音は案外元気そうで。
「ああ、麗花、元気そうだね。よかった」
『うん、元気よ。香奈ちゃん……いい子だわ。すごく気を遣ってくれてるの。お店も大丈夫よ。客層が変わったかもしれないけど』
「なんだか怖いなぁ。僕が戻るところ、なくなってたりしないよね?」
『大丈夫よ。みんな待ってるから。それより、ひどい目にあったそうね』
「……うん。ちょっと人目気にしちゃいそうだよ。恥ずかしい写真公開されちゃったんだから」
『写真見たけど、綺麗だったわよ。堂々としてればいいわ。羨まれる事はあっても笑いものにはされないわよ』
「み、みたのっ?」
『香奈ちゃんがメール受け取って、店のパソコンで確認したから。しょうがないじゃない。教えてくれたのは真由子ママだったけど、確か真由子ママは笹沢君て子から連絡行ったそうよ。拓斗の同級生だそうね』
「ああ……」
(拓斗に殺されそう……。ていうか、そんなとこ見に行くな、笹沢……)
頭で考えていただけのつもりが呟きにしていたのか、麗花が笑った。
『彼を恨むのはお門違い。彼が教えてくれなかったらもっと大変だったでしょう?』
「そうなんだけど……そうなんだけどね」
そこで、ふと思いついた。
「真由子さんが保存してるとしたら、僕の分もコピーしておいて欲しいって言ってくれる? サイトからは下げさせたはずだから、保存してないともうあの写真が手に入らない……」
『結局自分だって、とっておきたいんじゃない』
「そりゃあ、僕らの記念写真だもの……。ホテルのパソコン借りたから、打ち出しも出来ないし。ちょっぴり残念だったんだ」
『拓斗には内緒なんでしょ?』
「勿論。ばれたら二週間はお預けにされる」
『その撮った人から貰えば?』
「あの女がくれる分けないだろう? なんだか知らないが、僕らのこと憎んでるとしか思えないもの」
『女なの?』
「そうだよ。清水真沙子……わけわからん女だ」
息を呑む音が聞こえた。
「……麗花?」
電話は切れていない。麗花がただ黙っているので、香奈が駆け寄ってくる音が聞こえた。
『麗花さんっ、どうしたのっ?』
せっぱ詰まった様な香奈の声に、僕も緊張する。
『ああ、マスター、すみません。麗花さん気分が悪くなったみたいで。後で連絡しますから。とりあえずこれで』
作り声でない香奈の声はなかなかに凛々しい。
「うん、麗花を頼む」
受話器を置きながら考えた。
あの女の名前で、どうしてこんな反応をする?
麗花の知り合いなのか?
「電話終わった?」
シャワーを終えた拓斗が後ろから腰を抱いてきた。
そっと背中に頬ずりされ、考え事を中断させられる。
「明日かあさってには何かわかるかもしれない。それより……麗花が変なんだ」
「変……?」
「清水真沙子の名前を聞いた途端具合が悪くなったって。電話の向こうで香奈がかなり慌ててた」
「名前に曰くありってか。龍樹さん、ビアドゥの話をしたのがシミズマサコ……の可能性あると思う?」
「あの女と同一人物なんていったら笑うに笑えないな」
「清水さんに……連絡取れないのかなぁ。俺、清水さんに直接確かめたいな」
「それは明日に。今は僕につきあってくれ」
拓斗の手を取り、運び込まれていたルームサービスのワゴンに近づいた。
特注のワインが、用意されている。
ラ・モンドット・サン・テミリオン1998年もの。
かなり重量感のあるワインで、色も深い紫色である。
つまみにはフロマージュの盛り合わせと、フォアグラペーストなどを乗せたブルスケッタだ。豊かなフルーツエキスにくるまれた、奥の深いタンニンの風味が、このつまみによって口の中で劇的に変化する様を拓斗に味わあせたかったのだ。
成熟のピークには早めかもしれないが、このワインの在庫があると聞いたとたんに注文していた。かなり値は張るが、これも縁だと思う。
残念ながら肴にする話題が今イチの内容だが、一緒に味わうのが最高の恋人なのだから、文句は言うまい。
「何でこれ? 夜食?」
「だって、君、夕飯の時食欲無かったでしょ。あの場で開けても良かったんだけど、二人っきりの方がいいかと思って」
彼のグラスに少しだけ注ぎ、テイスティングを促した。
少しだけグラスを揺らし、彼はまず匂いを嗅ぐ。少しだけ口に含んで、僕を見上げた。
潤ませた瞳が、揺れながら僕を誘う。
「すごい……これ……。なんか……とにかく、すごい」
余韻が長く残ると言われるワインである。
「フォアグラを少し食べて飲んでごらん」
素直な彼は、ほんの少しだけブルスケッタを食べると、ワイングラスを傾けた。
「あ……甘く感じる。ワインて、こんなに食べるもので味が変わるんだね」
「ふふ、おいしいだろ? 僕も味見させて」
うなずきながら差し出されたグラスは無視して、彼の顎をとらえた。
「んっ」
彼の口の中をゆっくりと味わう。暖かくとろけたワインのまろみを彼の舌から吸い上げる。
「ああ、本当に、美味い……」
「た、龍樹さ……」
真っ赤になった彼が、僕をにらんだ。
「おいしいものは、よりおいしく楽しまないとね」
自分のグラスにワインを注ぎ、彼の向かいに座った。
「ほら、ぬるくならないうちに飲もう」
「う、うん……」
モジモジしながらもチーズに手を伸ばす彼の下半身事情には気づかない振りをした。
僕の食後酒は、彼なのだから。
もっともっと熟成させよう。
ワインでとろけた彼を、今日はどんな体位で楽しもうか……
なんて物思いは、またも電話で破られた。
香奈だった。
「マスター、すみません、もうお休み中でしたか?」
「いや。ベッドインしてたら、出ないから」
冗談めかして答えたのは、どうも香奈の様子が沈んでいたからだ。
香奈はクスリと笑ってから、ため息をついた。
「……なにか、あった?」
「あの……」
言いよどんでの間は、周りをサーチしていたのかもしれない。
「麗花さんが……。清水真沙子と関係あるみたいです」
「ああ……。そうじゃないかと思った。電話では、様子変だったものね」
「あの後、少し聞き出したんですよ。あんまり顔色悪いから休ませようとしたんだけど、変な風に興奮しちゃってて。寝酒につきあったら、ぽつりぽつり……と。結局、誰かに喋りたかったのかもしれませんね」
「いやいや、君だから……だと思うよ。で?」
「失恋……なんですよね。一応。麗花さん、その清水真沙子って人に結構入れ込んでたらしいです」
「うん……まあ、あり得るな。見た目は確かに麗花の好みにあってる」
「ペンションの客だったらしいんですよね。ふらりと一人でやってきて、一ヶ月くらい滞在してたのかな。その後、ほかの客の寝煙草で火事になっちゃったから……。麗花さんと部屋をシェアしたらしいんですが。どうもよくわからないんですが、突然消えたんだそうです。口では結構将来的な話とか、甘いこといっぱい口にしてて、麗花さん自身今度こそ、ライフパートナーに出会えたかなと期待し始めた矢先だったみたい」
悔しそうな響きが香奈の声音にのってきた。
「麗花は、結構そう言うところ真剣すぎるって言うか、重いんだよね。人のこと言えないけど。真沙子に貢がされたとか、そう言うことはないんだろう?」
「ああ……えっと。それは言ってませんでしたね。一年後に会いに来るとか置き手紙があって、本当に忽然と消えたというか、買い物に出かけたはずが、そのままばっくれた様です」
「……探しまくったんだろうなぁ」
「はい……。清水真沙子って言う名前も、調べて判ったんだそうですよ」
「え?」
「名前も、教えてくれてたプロフィールも、でたらめだったそうで。ただ、話の間に出てくる過去のエピソードとかは結構本当のことが混ぜられてたみたいで。調べるのにはそっちの記憶が役に立ったんだそうです」
「ああ、麗花って、一度聞いた話は忘れないからなぁ。ついでに、話の矛盾を追及したがるところもあったから。それがまた、適当にあしらおうとしてた奴からはうざがられたんだよね。僕とそういうとこ、すっごく似てるんで、だから気があったんだけどさ」
「うざいなんて……好きな人の話してくれたこと、ちゃんと覚えてるのって、いいことじゃないんですか? 適当言う方が不誠実ですよね」
ああ、香奈もそうなんだ……。
「うん、僕らの常識だと、そうなんだけどね。そうじゃない常識の人もいる訳よ。もちろん相容れるわけないから、その節が見うけられたら、そこでバイバイにはなるよね。麗花だって、初恋だった訳じゃない。今更、それだけであんなに情緒不安定になるなんて、相当惚れてたってことかなぁ。あんな奴に……。ちょっと信じられない」
「ああ……いや……それがですね。麗花さんが言うには、多分清水真沙子って人は麗花さんの都合のいい、理想の人間像を演じてたんじゃないかって言うんです」
「……何のために……?」
「それが、判らないからおかしくなっちゃったみたいですよ。お金でも、他の利害関係でもない……どう考えても、何のメリットも見いだせないのに、一定期間相当なエネルギー費やしてただろうって……。確かに、ボクには真似できないかも。そんなこと……。だから、ボクもその人の興味あります。どんな人なのか、見てみたい」
「見て、どうするの?」
「理由いかんではやはり、横面の一つもはり倒したいです」
「……惚れたな?」
「え?」
「麗花に惚れても、つらいだけだよ?」
「じゃあ、マスターは、コントロールできるんですか? 方法あるなら教えてくださいよ。ボク、もうどっぷりです。麗花さんが望むなら、何でもしてあげたいくらいには……はまっちゃってるんです」
香奈は居直ってそんなことを言う。元々あこがれめいた気持ちを持っていたんだから、しょうがないか……。
「残念ながら、僕もコントロールはできない。せいぜい自己抑制にエネルギー使うだけ」 はあ……と、大きくため息をついたのは香奈と同時だった。
幸い、僕は望むものを手に入れた。かなり望み薄だったはずが、落とせたのはなぜだったか……
「……無理強いだけはするなよ。したら、絶対嫌われるぞ。少なくとも、麗花相手なら、確実だ」
「分かってますよ……。あの麗花さんにボクが勝てるわけないじゃないですか」
「それもそうか……いや、ありがとう。知らせてくれて。しばらくは、麗花のしたいようにさせておいてあげて。ああ、そうだ、君、正月は? 僕らが帰るまで、麗花についててくれるかな?」
「大丈夫ですよ。ここ数年、実家には顔出してませんし。麗花さんを放って正月休みなんて取りませんて」
「……ありがとう」
いえ、と、言ってから、再度溜息めいた笑いを吹き込み、香奈は電話を切った。
「香奈ちゃん?」
僕の腰に腕を回しながら、拓斗が尋ねてきた。
「うん……」
かいつまんで電話の内容を説明すると、拓斗は考え込んでしまった。
憂鬱そうな表情で、グラスを傾ける。
「好みのままに演技かぁ。すごいね……。どこからそんなエネルギー出るんだろう?」
「まあ、誰でも少しなら、そんな駆け引きめいた小細工もしてるんだろうけどね。ある意味、清水真沙子には才能があるってことかな。何よりも、相手の望みを感じ取るって点で。僕にもその能力分けてほしいくらいだ」
「なんで? いらないじゃん、そんなの。ことが複雑になるだけだよ」
「そう言う才能があれば、もっと早く君を落とせたんじゃないかと思って」
「ありえないね」
眉間にしわを寄せて、拓斗は吐き捨てた。
「そんな、人を馬鹿にしたやり方で口説いてきたら、俺は絶対落ちなかったぜ。もし、まかり間違って落ちたとしても、逃げ出すね。矛盾を感じた時点で。それか、龍樹さんの方が本当の自分との板挟みが辛くなって逃げ出すんじゃないかな……。実際、清水真沙子も、半年も保たなかったんだろう?」
「ああ……」
「俺が、龍樹さんと生きていこうって思ったの、本当に、龍樹さんが全力で俺にアプローチしてくれたからだ。真剣だって、信じられたから、男同士の恋愛に関するリスクにも目をつぶることができたんだ。多少好かれるために自分を殺すところがあるのはうなずける。誰だって好きな人に気に入られたいと思うのは当たり前だもん。でもさ。今回のケースは、自分を殺すどころか、別人になって近づいてきたんだよね? それってすでに詐欺みたい。
そんな人が、どんなに本気で好きだったと言っても信じることはできないんじゃないのかな。俺が信じらんないのは、たいていの人が、結果を予測できるからこそ故意でなければやらかさないことを、やってしまう想像力のなさ……だよ」
「そうだね。つまり、本気じゃなかったってことだよね。完全に、遊び……ってことだ」
「うわ、許し難い……」
顔をしかめた表情すら愛らしく感じるのは、僕の目が眩んでるからだろうか。
ワインのせいで少し饒舌になっている拓斗を、抱き上げて、ベッドに落とし込んだ。
「わ。いきなりなに?」
「本気の恋人を味わいたくなったんだよ。ちょうど良くワインが回ってきただろう? もう、嫌な話はおしまいにしよう」
黒目がちの瞳がとろりと潤んだ。僕を見つめて、口づけを待つ半開きの唇は、熟れて赤みが増している。なんて、美味しそうなんだろう……
「僕は……本当に幸せだ。君が、真剣に僕を思ってくれてるなんて、すっごい幸せ……。麗花には悪いけど、改めて実感しちゃった……」
舌を絡めて味わい尽くし、熱い体にも舌をはわせた。堅くしこった胸の飾りもきつくもみし抱きながらなめ回す。
「あ……あ……んんっ……俺もっ、俺もするっ」
僕をはねのけるようにして、拓斗は僕の股間に手をかけた。
「ああっ、おっきいっ。もうこんなに……堅くなってる……すごい……」
最初の頃は、恐怖した目で見据えていた僕の逸物を、うっとりととろけた瞳でなめるように眺め、ちろりと先端を舌でつついた。
「ぁっう……」
無理矢理頬張り、舌を巻き付けるように雁を転がされて、僕も余裕がなくなってしまう。
跪いて僕の股間に顔を埋めるようにしている拓斗のバスローブをたくし上げると、僕も彼の股間に手を伸ばした。すでに先走りで濡れている局所には手をつけず、いきなり僕を迎え入れる熱い火口に指を忍ばせた。
ぴくりと方をふるわせ、舌の動きが鈍くなった彼に、腰を動かして再開を促す。
「んっ、んぐっんふうっ」
濡れた音を殊更大きく響かせて、彼が激しく僕をしゃぶる。喉の奥まで僕を迎え、苦しいだろうに口蓋と喉で僕をこすり上げるのだ。
ときおり上目遣いで見上げて僕の感じてる様を確認する、その表情も色っぽく。
僕は無理矢理にでもやめさせなければならなかった。最短の時間でイきそうになってしまっているから。僕としては彼と体をつなげたいのだ。一つになって彼の中に僕をしみこませたい。
「拓斗……苦しいだろう? もういいから……ねえ、君のこっちでイきたいな……。早く、入れたい……」
「ん、俺も、欲しい……」
拓斗は、顔を上げてこくんと頷くと、にじり寄ってきて、僕の腰にまたがるように腰掛け、自分で開いて僕の怒張を迎え入れた。腰をゆっくりと沈めながら、息を整える様は、門外不出の美しさだ。今、確かに彼も目が眩んでるらしい。
僕を欲しいと、全身が感じてる……
「ああっ」
脈打つ熱さが、僕らを一つに練り上げていく。
拓斗は、すべて納め終えるとゆっくりと腰を揺らし始めた。
「ああっ、あふうっんんっ、んんっ……奥まで……深く……熱い……あ〜〜〜いいっすごくイイっ」
とぎれとぎれにそんなことを述べ立て、かくかくと腰を振る間、ずっと堅く立ち上がったままの男根がフルフルと揺れ、汁をまき散らした。
「拓斗、少し休んで。もっとゆっくり……」
彼の腰を固定し、一息つかせると、僕が突き上げた。
「はああんっ」
一突きするごとに悲鳴のようなよがり声があがる。
肉をたたきつけるような音が混ざるほど、結局僕らは盛大に腰を振った。
行為に慣れるほどに持続時間は長くなる。拓斗の動きは、普段の初々しさとは一線を画した淫靡さで、行為を楽しんでいた。激しく、より高みに向かって互いを追い上げながら、体の相性について考える。
心と体が、どちらも快感に浸り込んでいる。
愛しいから、悦びが強いのか、かつてないほどの快楽を得られるから、愛しく思えるのか……どちらだか分からなくなるほどに僕らは互いをむさぼる。
ところかまわずしたくなるほどに、それは麻薬として体にしみこんでいる。
ふと気づくと、欲しくてたまらなくなってしまう……僕はおかしいのかもしれない。
素材:トリスの素材市場