こたつネタ−こたつ視点−
byたまきさん(あやかさんのこたつネタとシンクロしてます)
ぼくは、こたつです。
お店にいたら、ある寒い日、とっても背の高い人が来て僕を見てつぶやきました。
「ふむ。これくらいの寸法ならばいいですかね。丈夫そうでもありますし・・・・・」
ええ、ぼくは、兄弟のなかでは一番大きい子なんですよ、えっへん!
それに、材質もいいから、とっても頑丈なんです!
そんなぼくの声がきこえたのか、その人は僕を買うことに決めたらしい。
すぐ配達してください、なんていう声が聞こえた。ぼくのこと、気にいってくれたんだ!
ずいぶんかっこいい人だったから、きっと、配達先にはかわいいお嫁さんが待ってるんだろうな♪
「圭、これは何?」
待っていたのは、男の人だった。
ぼくを見ての最初の一言。
ぼくはこたつです!
こたつ以外の何物でもありません!!
「見ての通りのものですが」
「なんでここに?」
「買ったからですよ」
「どうして?」
「二人で温まりたいと思ったからです」
「それだけの理由で、‘これ’を買ったのか?」
”これ”なんて・・・・・ひどい!
ぼくは、こたつです!
「えぇ。君と一緒に温もりを分かち合える。こんな素敵なことがありますか?」
「それで、こたつねぇ・・・」
ああ、やっとわかってくれた・・・・・・
でも、その男の人は、とっても綺麗な手でやさしくぼくを撫でてくれると、ぼくに入って、「あったかい」というようにふんわり微笑んだ。
あ、この人、なんかイイかもしれない!
口では皮肉っぽいことを言ったけど、ぼくを気に入ったんだな♪
すると、ぼくを買った人がその人の隣に入ろうとして怒られた。
こら!
ぼくの正しい入り方を知らないのか!
そんなでかい図体で、同じところから男二人なんて無理だよ!
そうぶつぶつ言ってる間に、ぼくの上で
「ありがとう、圭」
「悠季っ」なんて呼び合って、チュッという音が・・・・・・
あれ?
今のって・・・・・・
たしか、テレビやビデオコーナーで映っていたのは、男の人と女の人がするモンじゃ・・・・・???
疑問に思っているうちにも、背の高い人(圭というらしい)は、みかんをあーんなんて食べさせてもらってる・・・・
え?
それって、お嫁さんか恋人とするんじゃぁ・・・・
ぼくの頭の中は疑問符がいっぱいで、思わずオーバーヒートしそうになった。
いかんいかん、自慢の最新式サーモスタットを働かせねば!
やっと落ち着いたところに、
「あっ・・・け、圭っ・・・んっ、だめ・・・」
い、いまの声はっ?
ぼくがうろたえているうちに、ぼくの目の下では足がなにやら普通でない動きを始めた。
足に足が絡まって、太股を撫で上げたり、股間部分(うわ〜〜っ)をまさぐったりしている!!
「やっ、圭っ・・・んっ、あっ、はぁっ」
ちょっと、お二人さん!
なんか、間違ってると思うんですけど・・・・・
こ、これって、あのぅ、ひょっとして、そのぉ・・・・・・
ぼくのとまどいは、次の一言でキリが付いた。
「ベットに行きましょう、悠季」
抱きかかえられるようにこたつから出ていった綺麗な手の人(悠季というらしい)は、なんだか足に力が入らないようだ。
でも、頬が赤かったから、きっとぼくの力で十分暖まったんだろう。
えっへん!
その晩遅く、圭がぼくを見ながらこう言った。
「やはり、この中で最後までと言うのは無理がありますかね?
まあ、まだ寒い日は続くでしょうから、じっくり研究してみましょう」
それを聞いたとき、なぜだか、ぼくの背には悪寒が走ったのだった・・・・・
初々しいこたつもすぐにうぶじゃなくなりそうですね^^;