片思いの頃の1エピソード
書き出しbyあやかさん
ふむ、僕と悠季の思い出話を一つ語れというのですか?一つと言われると、
困りましたね・・・何を話しましょうか。
では、この話にしましょう。僕が初めて悠季の湯上がり姿を見た記念の話です。
その後の行為も・・・・・・。まぁ、楽しんで下さい。くれぐれも悠季には
秘密で、ですよ。いいですね?勧告を無視する場合は・・・フジミストならば
わかっているでしょう?では、どうぞ。
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今、僕の右手で輝いている銀色の鍵は、僕のまだ完全に恋人とは呼べない想い人
から渡されたものだ。
「これ、僕の部屋の鍵。君にもらって、僕は預けないなんてフェアじゃない
からね。くれぐれも変なことには使うなうよっ」
頬を赤らめながら照れ隠しに強い口調で話す彼。そのあまりの愛おしさに
抱きしめてしまいたい気持ちをなけなしの理性で押し鎮めながら、僕は「はい」
と大きく頷いた。
一緒に夕食をフジミで摂ろうと思い、階下にある悠季の部屋をノックした。応答
はない。さっき、帰ってくる気配がしたから、いるはずなのですが・・・
そこで、僕はポケットからいつも大切に持ち歩いている宝物の鍵を取り出した。 手の中で「悠季の部屋の鍵だ」と思うと一際輝いて見えるそれを、僕はそっと
鍵穴に差し入れた。ガチャっという控えめな音をたてて外れる。
ノブを回すと、重厚な雰囲気の鉄の扉は難なく開き、僕を招き入れた。
「守村さん?守村さん?・・・悠季?」
恥ずかしいから呼ぶな!そう言われた呼び名で呼んでも、悠季のまろやかな
テノールの返事は聞こえてこない。靴はあるのに。
お邪魔します。そう小さく断って、部屋に足を踏み入れた。
今まで来ていたであろうスーツがハンガーにかかっていた。帰ってきていること
は確かである。では、どこに?
寝室にはいない、リビングにも。はて、キッチンですかね?
そう思い、キッチンに足を踏み入れた途端、悠季の居場所がわかった。浴室だ。 この部屋はキッチンの隣が浴室となっているため、水温が聞こえてくるのだ。
思わず、ニヤリとしてしまった。しかし・・・いけません。ここで悠季を
組み敷いてしまえば、僕はそのために侵入したように思われてしまう。
ここは我慢です。そう自分に言い聞かせ、僕は足を玄関の方に向けた。その時。
キュっと蛇口をひねる音が聞こえ、バタンと浴室の扉が開く音。
「はぁ〜、サッパリした」
軽やかなテノールは、僕の内心の動揺などお構いなしだ。
理性と欲望が僕の足を完全に止めていた。早く外に出なければ!でもっ!
焦る心を囃し立てていた僕の後ろから、ついに、
「えっ?・・・桐ノ院?何してるんだい?」
という無邪気な声が。振り向いてはいけない、そうわかっていたはずなのに、
僕は誘惑に負けた。
振り向いたさきには、ベットの上でしか見ることのできないメガネを外した悠季
の不思議そうに見開かれた強い引力を持った瞳があった。
真っ白なバスタオル一枚しか羽織っていないその躯。仄かに赤い頬、髪から滴る
滴はすべらかな肌を滑り落ちてゆく。ギリギリの長さのタオルからスラリと伸びた
足は、僕の理性を破壊した。
自分の中でガラガラと何かが崩れる音を聞いた僕は、ギュッと悠季を抱きしめて
いた。
「ちょ、ちょっと・・・・桐ノ院・・・」
驚いた悠季が、顔を真っ赤にして僕の腕の中でもがく。
そんな彼の抵抗などものの数に入らない。
まだ湿気を帯びた肩口に唇を押しつけ、石鹸の香りのする肌を味わった。
「あっ・・・」
びくんと悠季の体が反応する。ああ、ほんとうにきみはなんて感じやすいのだろう・・・・・
「や、やめろよ!」
必死で腕を振り払おうと抵抗するが、その動きは軽く腰に巻き付けてあっっただけのバスタオルを
床に落とすという結果になった。
「あ!」
首筋まで真っ赤になった悠季は、それでも怒りをにじませた瞳で僕を睨み付けた。
「桐ノ院! なんのつもりだ! 鍵を変なことには使うなと言っただろう!」
ああ、その扇情的な表情といったら・・・・・
悠季、きみは、自分がどんなに魅力的かわかっていないのですね?
「はい、聞きました」
「それなら、この状況はいったいなんなんだよ!」
「・・・・・すみません・・・・・でも、きみがいけないんですよ」
「へ?」
一瞬とまどった様子の悠季を、なお強く胸にかき抱く。
「恋人のこんな色っぽい姿を見せられて、おかしくならない男などいません」
「と、桐ノ院・・・う・・」
僕を誘ってやまない唇を奪う。いつもより少し熱っぽいそこは、期待通りに甘く柔らかだった。
角度を変えながら、何度も何度も唇を塞ぎ、口腔内を蹂躙する。
「はぁ・・・あん・・・」
息継ぎのあまやかな吐息さえも、僕の身体の奥に火をつける。
悠季は腕からも膝からも力が抜けたようだ。
僕に縋ってくるほっそりした体を片手で支えながら、しっとりした絹の手触りを楽しむ。
僕が触れたところから、悠季の白い肌にはさざなみのように震えが広がる。
ああ、すてきです、僕の悠季! きみが欲しい! もう、きみのことしか考えられない!!
僕は、さっと悠季を抱き上げた。
(byたまきさん)
「ちょ、ちょっと桐ノ院! 降ろせよ、降ろせったら!」
股間を隠しながらも抗う悠季の身体を、キッチンから和室に運んだ。
ドアを蹴破って入って以来だ。あの時と同じように小綺麗に片づいている。
布団は・・・・・まだ出していないようですね。もっとも、晩飯前のこの時間なら当たり前なのですが。
僕は悠季を畳の上に降ろした。
そのまま覆い被さるように押さえつける。
「止めろ! 桐ノ・・・・」
唇をキスで塞いで、両手を滑らかな肌の上にはわせる。
小さな乳首を摘むと、悠季の身体はびくんと撥ねた。
唇と舌で、頬、耳朶、首筋と舐めねぶり、乳首に愛撫を移したときは、悠季はもう、息も絶え絶えといった風情で・・・・・・
「はあ・・・・あん・・・」
きみの喘ぐ声で、僕の身体もゾクゾクと沸き上がる熱でいっぱいになる。
待ちかねていたような悠季の男性自身に指を絡ませた。
その先端からは、すでに透明な液がしたたり落ちていた。
液を親指ですくい取り、塗りつけるように亀頭を撫でた。
「ああっ!」
しばらくそうして悠季の身悶えを楽しんだ後、後ろの蕾に指を這わす。
「う・・・っ・・・・・桐ノ院・・・・ふ・・」
そこを丹念にほぐしながら、僕は頭の中で考えを巡らしていた。
畳の上でこのままの態勢では、悠季の背中は擦り傷だらけになってしまう。
でも、ここで中断して布団を出すのもヤボというものです。
では、そのような体位が・・・・・・
(byたまきさん)
「悠季……ちょっと、しつれい」
甘く囁いたつもりだが、彼の腰に手をかけ、くるんと翻したあたりで彼は恨みがましく僕をにらみつけた。
「何……考えてんだよっ、もうっ!」
目元を赤らめての流し目は、僕を抑えるどころか煽るだけだと、何度も申し上げたはずですが。
「畳に押しつけられては、君が痛い思いをするのではないかと……」
「だっだからってなぁ?」
じたばたともがく膝を押さえつけ、僕は彼の両足の間に割って入った形で跪いた。
悠季は、腰を持ち上げられ、両手をはわせたうつぶせ状態。
そうですね、ちょっとネコ車に似ています。
そう、今君は、僕のネコ……
「ここに、欲しくないのですか? この、僕を招いている柔らかそうな蕾に……」
僕は、かなり限界を意識しつつ、僕の切っ先を彼の菊座にこすりつけた。
瞬間飲み込もうとするかのようにひくつく灼熱の肉襞が、僕の亀頭に触れた。
「ああっ悠季、素直になって下さい。君のここは僕を待っている……」
そっと身体を揺らして、彼を誘えば、きゅきゅっと蕾が反応した。
「あんっ……っばっばか!」
カアッと上昇した体温で、彼の身体が紅潮していく。白さと薄紅色のだんだらが、僕に早く来てと模様を描く。
「ああ、もう、限界です、入りますよ」
言い置いて、一気にずぶりと挿入した。
「〜〜〜〜〜っ」
声なき悲鳴は、戦慄くバラ色の口元から飛び出し、ほうと安堵の吐息になって消えた。
ぼくの動悸、君の動悸……。一緒に感じあって、解け合っていく。
うごめく彼の秘肉は僕を柔らかく、また、力強く締め付けてくる。
抑えなくても、暴れなくなった両足は、かくかくと痙攣しながら、ゆっくりと僕の両股に絡みつき始めた。
僕は彼の腰を押さえながら、身体を折って、身を低くしている彼の肩胛骨に舌を這わせた。
「君の中は……まるで優しい天使のしとねの様ですよ。僕を包んで、天国へ誘ってしまいます……」
ゆっくりと、腰を回してみた。
「はああっ」
悠季のそこが僕の股に触れた。ぴゅんと跳ね上がって、堅い肉が僕を打ったのだ。
ああ、感じてますね。僕を……僕の感触を……
「悠季、動きますよ。いいですね?」
身をよじって僕を見上げようとしたが、すぐに畳に這わせた腕に顔を伏せてしまった。でも、大きなうなずきは、頭の動きで判る。
ああ、この体位は、君の魅惑の瞳を見ることが出来ない……
恥ずかしさに燃えて、身体の喜びに惑う、君の色香が確認できないなんて……
僕は二三度挿入を繰り返してから、ゆっくり彼の身体を抱き上げた。
「なっ?」
自分の重みで深く僕を飲み込みながら、悠季はとまどうように振り返った。
「抜けないように、足で支えて下さい。君の、感じるところ全部に触れなければ、満足できません」
僕の上に後ろ抱きに跨らせて、片手で彼を支え、もう片方で彼の頭部を支えた。
唇を寄せ、舌を導き出し、深く甘い口づけ。同時に彼は僕を絞る。
うっ、もう少し……待って下さい……。
僕が動かないためか、彼が腰をゆらしはじめた。
「圭……け……い……」
ああっイイッ……。
清純で、恥ずかしがりの君が、こんな風に僕との快楽を楽しんでくれる……。
どうか、こんな君の素顔は、僕だけのものに……
(by山田)
この後誰も書かないので、二人ははまったままです。
こうしてページにするにあたり続きを書こうかと思いましたが……
何だかはまったままでもいいんじゃないの? な気分でして。
鬼畜ですか?